4ヵ国語を話す子供たち 

〜多言語教育実験中?の我が家より〜

1.生まれてきた子供達に親が与えられるもの


           我が家は、特に裕福でもない平均的な家庭です。授業料の高い私立の学校に通わせたり
           特別な習い事をさせるほどの余裕はありません。後に残すほどの財産も築けないでしょう。
           それでも、生活の中で子供達が習得していっている「多言語の理解力」は、きっと将来
           何かの役に立つだろうと願っています。

           いざ結婚してスペインに住むことになった時、私がまず考えたのは「子供ができたら、
           どうやって育てよう。スペインにいて日本語が話せるようになるんだろうか?」ということでした。
           周りに相談できるような環境の人がいなかったので、一人であれこれ考えていたところ
           日本を発つ直前に書店で1冊の本「ヒロシ、君に英語とスペイン語をあげるよ」
           (北村崇郎・光世著−草思社 ISBN4-7942-0261-X C0080)を発見しました。
           この本に出会えたことで私の不安は一掃されたといってもおおげさではない程です。

           その本のタイトルにもあるように「ことば」は、愛情と共に親が子供に与えることができる
           大事な贈り物です。言語に深く関わるお仕事をされているお父さんが英語だけで、お母さんが
           スペイン語だけで(お二人とも日本人で日本在住)お子さんを育てようと決心されて
           生まれてきた洋くんとの15年間のお話なのですが、多言語教育はもちろんのこと
           愛情に満ちたご夫婦の育児記録としても、私にとっては大変参考になりました

           多言語教育に関しても、子供への接し方についても必要なことが凝縮されていましたので
           他の文献を探す必要もなくなり、この本だけをスペイン行きの荷物に加えました

           さて、生まれて間もない長男を前に、実はどうやって話しかけて良いのかわからず、数日の間は
           ぎこちない言葉を投げかけていた私でした。何か言っても答えや反応が返ってこないというのが
           妙な感じだったのです。でも、少しずつ少しずつ「母と子」の関係に慣れていきました。

           初めて子育てをする時、どのお母さんも色々な不安があると思います。幸い長男は丈夫で
           健康に関する不安はなかったのですが「どの程度私の言うことをわかっているんだろう」
           という気持ちは子供がある程度大きくなって反応を示すようになるまでは気がかりでした。

           1才を過ぎた頃、やっとこちらが言った言葉を繰り返して言うようになりました。
           もちろん本人はそれ以上のボキャブラリーを理解できているのですが、口から出るのは
           まだ極わずか、それでもスペイン語と日本語それぞれの単語が出てくるようになりました。

           反応も、私が「ひこうき」と言えば空を指さし、また違うときにお義母さんが「avion」と言えば
           同じように空を指さしていました。

           また別れの挨拶の時は、「バイバイ(私)」「adios−アディオス(近所の人達−スペイン語)」
           「agur−アグール(親戚−バスク語)」と言う相手によって、応える長男の手の振り方が
           それぞれ少しずつ違っていたのも面白かったです。


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